B.本を読む

入山章栄著『世界の経営学者はいま何を考えているのか』を読む

入山章栄,2012,『世界の経営学者はいま何を考えているのか』英治出版. ――メモ―― 日本の経済学部・修士を出て民間就職したのち、アメリカの経営学博士課程にすすんで、研究者となった著者による、「世界」の経営学を紹介する書。内容についてはメモすらま…

William Shakespeare, 1595?, Romeo and Juliet.を読む

中野好夫訳、1951→1996、『ロミオとジュリエット』新潮社. ■内容 ロザラインへの叶わない恋に悩むモンタギュー家のロミオを、友人たちが敵対するキャピュレット家の晩餐に誘う。そこでロミオはキャピュレットの娘ジュリエットに一目ぼれする。ジュリエット…

原爆と原発――なぜ日本は原発大国になったのか

■田口ランディ、2011(9月)、『ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ』 著者の田口ランディさんは、チェルノブイリ原発の事故以来、原発についての発言も行い、小説の題材にもしている方である。本書は2011年6月という、まだ新聞、テレビ、ネットの中で原発が多くの…

グリム童話を読む

グリム童話を読んだことがないので、暇なときに少しずつ読もうかな、と。 読むのは、Robert Brandon編纂「The Classic Fairy Tales of The Brothers Grimm」というロンドンのStudio Editionからでている英訳本。初版は1935年で、手元にあるのは1992年のもの…

Hume, D. 1742, "OF ESSAY-WRITING" (エッセイを書くことについて)

近年、ヒュームのエッセイに注目が集まっているようです。「エッセイを書くことについて」と題された非常に短い文章でヒュームの考えに少しだけ触れることができます。 これはヒュームの『道徳・政治・文学論集』というエッセイ集に収録されているもので、英…

記憶の政治学――なぜ8月15日が終戦記念日になったのか

たまには、季節にあったものを。 日本人の多くは8月15日が終戦記念日と記憶している。しかし、この日は国際法上はまったく意味を持たない日である。国際的には降伏文書が調印された9月2日が「戦勝記念日」と設定されている。ではなぜ、8月15日が終戦記念日と…

メモ:佐藤郁哉『フィールドワーク――書を持って街へ出よう』

*まだメモ段階です。 ■佐藤郁哉、1992、『フィールドワーク――書を持って街へ出よう』新曜社 『暴走族のエスノグラフィー』を読み直したら、きちんと書く予定。 ・フィールドワークについての全体像、輪郭を捉えるための本 ・平易でわかりやすく、すらすら読…

中江兆民1887『三酔人経論問答』東京集成社

*たんなるまとめです。■中江兆民1887『三酔人経論問答』東京集成社 →1965年桑原武夫・島田虔次訳(岩波書店) 兆民が本格的に政治活動に乗り出す前、民主主義の理論の精緻化を試みていたころにだされたもの。前年の1886年には『理学鉤玄』『革命前法朗西二…

「古事記」を読む

712年に成立したといわれる現存の日本最古の書物「古事記」。口承されてきた神話・伝説(旧辞)と、天皇家の系譜(帝紀)を成文化したもので、序文の漢文体と本文の変体漢文体(日本独自の語彙・語法を含む漢文)、歌謡の和文体で書かれています。が、そんな…

「サムエル記」を読む

創世記同様、知識ゼロで「サムエル記」を読んで思ったことを適当に書いていきます。 1〜2章:子を授からなかったハンナが神に祈ると、子を授かった。ハンナと夫エルカナは、サムエルと名付け、神に仕えさせた。祭司エリは息子たちが神のための生贄を取って食…

「創世記」を読む

聖書に関して全くの素人(聖書解釈やアレゴリーを知らない、非キリスト者)が聖書を読んだらどんな感想をもつのか。聖書を読みながら、疑問に思ったことを箇条書きにしていきます。 「全世界で最も読まれ、読まれ続けている本はなにか。それは聖書である。」…

Descartes, René,1637,"Discours de la méthode"(『方法序説』)

Descartes, René,1637,"Discours de la méthode" デカルト『方法序説』=山田弘明訳(筑摩書房、2010年) 有名な『方法序説』は、『みずからの理性を正しく導き、もろもろの学問において真理を探究するための方法についての序説およびこの方法の試論(屈折光…

拾い読み

■大野道邦、2011『可能性としての文化社会学――カルチュラル・ターンとディシプリン』世界思想社 筆者によれば、文化を研究対象とする社会学は、文化を説明されるべき従属変数と捉える「文化についての社会学sociology of cultures(弱い意味での文化社会学)…

社会科学の基礎の基礎

・高根正昭,1979,『創造の方法学』講談社. ・川崎剛,2010,『社会科学系のための「優秀論文」​作成術――プロの学術論文から卒論​まで』勁草書房. ・斉藤孝・西岡達裕,2005,『学術論文の技法 改訂版』日本エディタースクール出版部. 科学というのは、普遍的で不…

ウルリッヒ・ベック『世界リスク社会論』を読んで

前回内容を紹介した『世界リスク社会論』の考察、感想■考察 ▲構築主義への評価について ベックは「純粋に構築主義的な構築主義」へ批判を加える。ある意味平凡ではあるが重要な指摘である。構築主義者は、ある事象が構築されたものだと主張し、その過程を描…

ウルリッヒ・ベック『世界リスク社会論』

■ウルリッヒ・ベック『世界リスク社会論――テロ・戦争・自然破壊』2010、筑摩書房(島村賢一訳) Ulrich Beckの ・Das Schweigen der Wörter: Über Terror und Krieg, Suhrkamp, Frank-furt a. M. 2002 ・Weltrisikogesellschaft, Weltöffentlichkeit und glo…

清水幾太郎『論文の書き方』(1959)

清水幾太郎,1959,『論文の書き方』岩波書店. ■本書の内容 本書は社会学者清水幾太郎が、論文の書き方について自身の経験に触れながらエッセイ風に書いたものである。ここで「論文」というのはあとがきにあるように、「内容及び形式が知的であるような文章…

盛山和夫『叢書現代社会学 社会学とは何か』(2011)

盛山和夫,2011,『叢書現代社会学 社会学とは何か』ミネルヴァ書房. *後で読み返してわかりにくかったのですが、この記事で「筆者」とは盛山さんを指します。 ■概要 本書は2009年に刊行された叢書の一冊で、「刊行のことば」には以下のようにある。 「叢…

樋口隆一『新装版 バッハ探求』(1996)を読む

・樋口隆一,1996,『新装版 バッハ探求』春秋社. 著者の樋口隆一(1946-)は、『新バッハ全集』の校訂にもかかわった日本を代表するバッハ研究者の一人。本書は、著者が1977年から1992年までに、新聞から専門雑誌、事典やライナーノーツなど様々な媒体に書…

遥洋子、2000、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を読む

先日、遥洋子著の『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(2000年、筑摩書房)を読んだ。 この本は、タレントの遥洋子が東大で上野千鶴子のゼミ(学部ゼミ、院ゼミ、講義、コロキアム:研究者を外部から呼んで議論するゼミ)に3年間通った経験をつづったもので…