リスタート

「梅雨」の社会的構築

「梅雨」などない!われわれは騙されている!ということを言う戯言記事です。 私は昔(2002年あたり)から一貫して、「梅雨」などというものは存在しない!と友人に主張し続けてきました。しかし、「ソースは俺」という態度だったためか、だれも真剣に聞いて…

「古事記」を読む

712年に成立したといわれる現存の日本最古の書物「古事記」。口承されてきた神話・伝説(旧辞)と、天皇家の系譜(帝紀)を成文化したもので、序文の漢文体と本文の変体漢文体(日本独自の語彙・語法を含む漢文)、歌謡の和文体で書かれています。が、そんな…

「サムエル記」を読む

創世記同様、知識ゼロで「サムエル記」を読んで思ったことを適当に書いていきます。 1〜2章:子を授からなかったハンナが神に祈ると、子を授かった。ハンナと夫エルカナは、サムエルと名付け、神に仕えさせた。祭司エリは息子たちが神のための生贄を取って食…

「創世記」を読む

聖書に関して全くの素人(聖書解釈やアレゴリーを知らない、非キリスト者)が聖書を読んだらどんな感想をもつのか。聖書を読みながら、疑問に思ったことを箇条書きにしていきます。 「全世界で最も読まれ、読まれ続けている本はなにか。それは聖書である。」…

メモ:戦後マンガ史4(1981〜2000年)

■1981〜2000年▲少年誌 80年代に入ると、少年漫画はそれまで本流だった「闘い」と「スポーツ」一辺倒から恋愛を描くようになっていく。78年柳沢みきお『翔んだカップル』から、明るくさわやか、笑いもあるヒロインの魅力を大きな力にした学園ラブストーリーが…

メモ:戦後マンガ史3(1970−1980年)

■1970−1980年 ▲「花の24年組」 70年代にかけて、漫画を読んで育った世代が漫画を描き始め、新感覚派の少女漫画が勢いを持つ。「花の24年組」と呼ばれる昭和24年前後うまれのマンガ家たちの作品である(竹宮恵子、萩尾望都、樹村みのり、大島弓子、山岸涼子な…

メモ:戦後マンガ史2(1959−1969)

■1959−1969 流れ:貸本漫画の衰退→月刊誌から週刊誌→劇画→少女漫画、青年向け漫画▲劇画 50年代半ば、貸本漫画の世界で、関西の若い漫画家が中心となり、リアルな描法、より実録的な内容を持つ漫画を書き始めた。さいとう・たかを、佐藤まさあき、辰巳ヨシヒ…

メモ:戦後マンガ史1(1945〜1958)

*2008年に書いたものの再掲(参考にした文献を忘れてしまいましたが、呉智英、竹内オサム、米沢嘉博あたりを参照したのだと思います。) ■1945〜1958 ▲児童漫画 戦前から続く「少年倶楽部」など児童雑誌や戦後すぐ創刊した児童雑誌においては、小説や読み物…

クラウドは何があたしいの?1

「クラウドってなんなの?」 「ネットに写真とかアップして共有すんじゃん?あれ」 「あ、あれのことかー。でもあれって昔からあったんじゃね。なんでいまさら騒いでるの?」 「うーん」 クラウドコンピューティングという言葉に厳密な定義はありません。従…

浜日出夫、2006、「羅生門問題――エスノメソドロジーの理論的含意」

■浜日出夫、2006、「羅生門問題――エスノメソドロジーの理論的含意」富永健一編『理論社会学の可能性』新曜社 中学生のころ、友人と一緒に学校から帰る時によく話した話題を今でも覚えています。 「おれが見てる赤は、おまえが見てる赤とちがうかも!」 「た…

Descartes, René,1637,"Discours de la méthode"(『方法序説』)

Descartes, René,1637,"Discours de la méthode" デカルト『方法序説』=山田弘明訳(筑摩書房、2010年) 有名な『方法序説』は、『みずからの理性を正しく導き、もろもろの学問において真理を探究するための方法についての序説およびこの方法の試論(屈折光…

HIPHOPのうまさ

今は昔ですが、長いことストリートダンスをやっていたので、私の思うエッセンスを文字化しておこうと思いたちました。反対意見等大歓迎です。ダンサーで言葉にするのが上手な方、言葉で教えるのが上手な方はたくさんいらっしゃるのに、それが文字化されるこ…

物理:究極の構成粒子

このメモは2010年5月9日書いたものを一部改変したものです。 ・「素粒子」 ものは分子からできてる。その分子は原子の集まり。原子も原子核と電子の集合体。さらに原子核は陽子と中性子からなっている。そこで陽子、中性子、電子を「素の粒子」、素粒子と呼…

Facebookでのスパム

Facebookのスパムについての報告と対策について書きます。 *2011年5月15日現在の情報であることに注意してください。 ―――――――――――――――― ▲▲(友人名前) posted on your Wall. ・“omg! ●●(自分名前)what are you doing in this video” ・“HEY ●● you look …

メモ:原子力基礎知識と略年表

■原子力政策、原子力発電、原発事故関連の略年表*「←」は反原発運動 *青色は主な原発・関連施設事故・事件 1939 「核分裂」発見 1954 原子力研究開発予算国会提出(中曽根康弘ら/2億5千万円計上) 第五福竜丸被曝←ビキニ水爆実験 1955 原子力三法成立(原…

開沼博、2010、「原子力ムラの秩序はいかにして可能か」

*2011/05/21 更新(論文の要約に当たって、「システムの維持を促す要素/システム崩壊を抑制する要素」という区別をやめ、「直接的な順機能/間接的な順機能」という区別を採用し、要約全体を整理しなおしました。) *2011/05/25 更新(論文執筆者(開沼氏…

宮原浩二郎、2006,「『復興』とは何か」『先端社会研究』第5号

「災害復興制度の研究」の特集ということで、関西学院大学の「『人類の幸福に資する社会調査』の研究」というプログラムの成果の一部だそうです。以前も紹介した災害復興制度研究所のメンバーがメインに執筆しています。今回の東日本大震災以後、「復興」に…

メモ、社会学者のメディア投稿文章

気まぐれ更新(全て2011年) ・ギデンズ −「Energy Security in Vulnerable Societies英語」(3/29) →日本語はこちら・ベック −「Katastrophe von Fukushima: Sind die Deutschen hysterisch?ドイツ語」4/17 (augsburger-allgemeine) −(FAZ)「Was folgt …

ドイツ語テキスト紹介

滝田佳奈子、2010、『本気で学ぶドイツ語』ベレ出版 動詞編、名詞編、文章編という独特な、しかし明快な構成のおかげで、「自分が今なにを勉強してて、どの辺にいるのかわからない」という状態を避けることに成功していると思います。説明が平易で、練習問題…

滝田佳奈子、2010、『本気で学ぶドイツ語』ベレ出版

ちんたらちんたら進めていたドイツ語初級文法の復習がやっと終わりました。この本は、普通の文法書と異なり、動詞編・名詞編・文章編にわかれています。動詞編で徹底的に動詞に関する知識を入れ込みます。普通の文法書だと、進めているうちに自分がなにをや…

おすすめのチェス入門書

チェスはルールを覚えたら、なにも考えずに家族や友達と気軽にやる分にも十分おもしろいゲームだと思う。ただ、なにを考えるべきか、なにを目指すべきかを知って、盤上の力関係や配置の意味などがわかるともっともっとおもしろくなる。チェスをやるために本…

地図塗り絵(石原支持率)

4月12日に「話の栞」というブログで「『石原支持』声なき声の260万票を読み解く」という優れた記事が書かれました。ネット上、主にツイッター上で、非常に声の大きかった「反石原」ですが、ふたを開けてみれば石原氏の圧勝。では、ネット上では見られなかっ…

拾い読み

■大野道邦、2011『可能性としての文化社会学――カルチュラル・ターンとディシプリン』世界思想社 筆者によれば、文化を研究対象とする社会学は、文化を説明されるべき従属変数と捉える「文化についての社会学sociology of cultures(弱い意味での文化社会学)…

社会科学の基礎の基礎

・高根正昭,1979,『創造の方法学』講談社. ・川崎剛,2010,『社会科学系のための「優秀論文」​作成術――プロの学術論文から卒論​まで』勁草書房. ・斉藤孝・西岡達裕,2005,『学術論文の技法 改訂版』日本エディタースクール出版部. 科学というのは、普遍的で不…

ベッカー編『ルーマン講義録1 システム理論入門』を読む

Dirk Baecker(Hrsg.) Niklas Luhman, 2002, Einführung in die Systemtheorie, Carl-Auer-Systeme Verlag, Heidelberg.(=2007,土方透監訳『システム理論入門――ニクラス・ルーマン講義録【1】』新泉社.) ――――――――――目次―――――――――――――― 第一章 社会学と…

高橋徹『意味の歴史社会学』を読む

高橋徹,2002,『意味の歴史社会学――ルーマンの近代ゼマンティク論』世界思想社.――目次―――――――――――――― 序章 長期視座の歴史社会学とルーマン 第一章 ルーマン知識社会学の方法 第二章 ゼマンティクとしての近代初期人間学 第三章 相互作用ゼマンティクの変…

馬場靖雄『ルーマンの社会理論』を読む

馬場靖雄,2001,『ルーマンの社会理論』勁草書房.――目次―――――――――――――― 序論 ルーマン理論の展開と受容 第一章 複雑性 第二章 コミュニケーション 第三章 機能分化 結語 社会学的啓蒙 ―――――――――――――――――― …作成中…

ルーマン『近代の観察』を読む

Niklas Luhmann, 1992, Beobachtungen der Moderne, Westdeutscher Verlag, Opladen.(=2003,馬場靖雄訳『近代の観察』法政大学出版局.)――――目次―――― 第一章 近代社会における近代的なるもの 第二章 ヨーロッパの合理性 第三章 近代社会の固有値としての…

ギデンズ、『モダニティと自己アイデンティティ』(1991)

Giddens, Anthony, 1991, Modernity and Self-Identity: Self and Society in the Late Modern Age, Polity Press.(=2005,秋吉美都・安藤太郎・筒井淳也訳『モダニティと自己アイデンティティ――後期近代における自己と社会』ハーベスト社.) ■要約 ギデ…

宮原幸次郎、『ギデンズの社会理論―その全体像と可能性』

工事中