滝田佳奈子、2010、『本気で学ぶドイツ語』ベレ出版

 ちんたらちんたら進めていたドイツ語初級文法の復習がやっと終わりました。この本は、普通の文法書と異なり、動詞編・名詞編・文章編にわかれています。動詞編で徹底的に動詞に関する知識を入れ込みます。普通の文法書だと、進めているうちに自分がなにをやってるのかわからなくなってしまうことが多いのですが、動詞に関する文法事項はそれ自体それほど複雑ではないので、文の基本的な形を頭に入れることができます。それが頭に入ってから、複雑な名詞・形容詞・冠詞等へ移るので、それぞれの変化で頭が混乱しても文章の型のイメージがくずれることがなく、「もーわっけわかんない!」とはなりにくいです(名詞系は変化を憶えるだけなので)。
 また、わかりやすい説明文と共に、また適宜どの程度覚えたのかをチェックする小問と共にすすんでいくので、無理なく流れるように学習できます。流れっぱなしで結局覚えてない、ということを防ぐために、各課ごとに独作の練習問題があります。練習問題では、違う文法事項を学習した時も同じ単語が繰り返しでてくるので、数は少ないですが単語の暗記にもなりますし、単語がわからないことが問題を解く際の妨げになることもありません。また、文章編では読者が動詞編で学んだことなどを忘れていることを見込んで、たまに復習してくれるので大変ありがたいです。非常によくできた入門書だと思いました。


 一方で、いくばくかの注文もあります。まず各課ごとの練習問題が簡単すぎること。前半はそのようなことは感じませんでしたが、後半になってくると不必要なヒントが気になったり、問題のレベルが簡単すぎて張り合いがなく感じてしまいました。特に文章編ではもっと思い切ったレベルの問題を出しても良いと思います。
 次に、学習者に対して本書で扱わない範囲の案内・学習指導があっても良いと思いました。これは求めすぎなのかもしれませんが、入門書であるのでそのフォローが大事だと思います。例えば、本書では名詞の複数系については一切触れられていません。他にもこのような暗記ものとして、単語や動詞の三基本形などの暗記についてのフォローはありません。本書は読み流すタイプの本なので、そこに重点が置かれていないことはわかりますが、これではせっかくこの本を終えてもドイツ語を読むことはできないでしょう。コラムでもなんでもいいので、単語やその他ドイツ語を学習することについての全般的なアドバイス等が入っているとよりよいと思いました。あるいは本書で使われた単語の一覧(この本は良くできているため非常に使われる単語の数は少ない)や動詞の三基本形の表くらいは巻末に添えても良かったのでは、と思います。


 と文句もちらほらありますが、全体として良い入門書だと思います。個人的には冠飾句の説明が入っているのが素晴らしいと思いました。これを知らないとドイツ語は読めませんので。


以上です。

本気で学ぶドイツ語(CD BOOK)

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