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「創世記」を読む

 聖書に関して全くの素人(聖書解釈やアレゴリーを知らない、非キリスト者)が聖書を読んだらどんな感想をもつのか。聖書を読みながら、疑問に思ったことを箇条書きにしていきます。


 「全世界で最も読まれ、読まれ続けている本はなにか。それは聖書である。」というフレーズは何度も聞いたことがあったけれど、いままでほとんど手に持ったことがありませんでした。というわけで、暇なときに「創世記」から地道に少しずつ読んで行きたいとおもいます。
 聖書は突っ込みどころ満載で、突っ込みだしたらきりがないのですが、あまりに些細なところは控え身にして、疑問や気になった点、(常識かもしれませんが)知らなかった点などを箇条書きにしておきたいと思います(たまに、テクスト外の知識とつなげた疑問も入ってしまっていますが御愛嬌)。


*新共同訳(1987年)と新改訳聖書(2003年三版)を読んでいます。
*引用は新共同訳
*私の読み方に不快な思いをされる方いらっしゃるかもしれませんが、どうかご容赦下しさいませ。


大澤真幸曰く「創世記はつぎはぎで、つじつまの合わないことも多い。書かれた時代順に並んでもいない。まずは、世界を創った人格神がいるんだということだけ納得できればよしとしましょう」(朝日新聞09月11日朝刊)とのこと)


▲1章(神が天と地、植物、動物、鳥、人間を創った。六日目まで)

・語り手はだれなのか。
  神の意図や思ったことまで知っている語り手はなにものなのか?
・「名づけ」の作業の分担。
  昼や夜や天や、「植物」などは神が名づけるが(1-5,8,11)、個々の動物・植物・鳥の名前は人(アダム)がつけている(2-19)

主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。

・創世記が書かれた当時、すでに太陽の方が月より大きいということが知られていたのか。

神は二つの大きな光る物と星を造り、大きな方に昼を治めさせ、小さな方に夜を治めさせられた。(1-16)

・神が創る順番が、植物→魚→鳥→陸上生物→人 で進化論とほぼ同じ。(1-11,20,24,26)
・神が生き物の支配をまかせたのだれか。(アダムとは「人」の意)

神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。(1-27)
神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」(1-28)

▲2章(人間の創造をすこし詳しく語りなおす。アダムのあばら骨から女)
・神が人間にいのちを吹き込むのは「鼻」

主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。(2-7)

・「女」と名づけるのは神かアダムか。

神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された(1-27)

人は言った。「ついに、これこそ/わたしの骨の骨/わたしの肉の肉。これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう/まさに、男(イシュ)から取られたものだから。」(2-23)

・女の位置づけはどのようなものか。「助ける」とは?

人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。(2-20)

▲3章(知識の実を食べてしまい、神から蛇、女、人へ罰)
・アダムの言い訳はひどすぎるが、なぜ神はそれを咎めないのか。

神は言われた。「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」(3-11)
アダムは答えた。「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」(3-12)

・男が女を支配する正統性はここ?

神は女に向かって言われた。「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。お前は、苦しんで子を産む。お前は男を求め/彼はお前を支配する。」(3-16)

・「女」と名づけたものを、「エバ」と名づけなおす。

アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。(3-20)

・ケルビムが赤ちゃんで描かれるのはなぜ?

こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。(3-24)

▲4章(カインがアベルを殺し、エデンの東、ノデへ。)
・カインの「しるし」って、カインを守るためのものだったのか

主はカインに言われた。「いや、それゆえカインを殺す者は、だれであれ七倍の復讐を受けるであろう。」主はカインに出会う者がだれも彼を撃つことのないように、カインにしるしを付けられた。(4-14)

・カインの妻はだれ?(この時、アダムとエバ、そしてその子カインしかおらず女はエバのみ)

カインは妻を知った。彼女は身ごもってエノクを産んだ。カインは町を建てていたが、その町を息子の名前にちなんでエノクと名付けた。(4-17)

・え、キリスト教って男女一対が原則ではないの?

レメクは二人の妻をめとった。一人はアダ、もう一人はツィラといった。(4-19)

・アダムとイブには三人目の子がいた

再び、アダムは妻を知った。彼女は男の子を産み、セトと名付けた。カインがアベルを殺したので、神が彼に代わる子を授け(シャト)られたからである。

・主を祈り始めるのは意外とおそい

セトにも男の子が生まれた。彼はその子をエノシュと名付けた。主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである。(4-26)

▲5章(アダムからはじまる人の系譜をつづる。ノアまで)
・神が定めるまで人は超長生き。ちなみにエバがいつ死んだのかは書かれていない。

アダムは九百三十年生き、そして死んだ。(5-5)
メトシェラは九百六十九年生き、そして死んだ。(5-27)
レメクは七百七十七年生き、そして死んだ。(5-31)

・「神とともに歩んだ」の意味は?

エノクは、メトシェラが生まれた後、三百年神と共に歩み、息子や娘をもうけた。(5-22)

・「神が取る」の意味は?

エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。(5-24)

▲6章(主が生き物を創ったことを悔やみ、洪水でいったんゼロにしようとする)
・神が人の寿命を120歳にした理由は?(この問いは反則か)

主は言われた。「わたしの霊は人の中に永久にとどまるべきではない。人は肉にすぎないのだから。」こうして、人の一生は百二十年となった。(6-3)

ネフィリム(巨人)は神の子と人間のハーフ。ってか「神の子」ってだれ?

当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった。(6-4)

▲7章(洪水でノアの箱舟にのっている生き物以外は全滅する)
ノアが箱舟に乗せた動物のつがいは「清い」に限り7つがいずつだった。

あなたは清い動物をすべて七つがいずつ取り、また、清くない動物をすべて一つがいずつ取りなさい。(7-2)

▲8章(一年後、大地は乾き、神は悔やむ)
ノアが大洪水を経験した時の年齢は600歳で、地上が乾き始めるのは601歳になってから。

ノアが六百歳のとき、洪水が地上に起こり、水が地の上にみなぎった。(7-6)
ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いた。ノアは箱舟の覆いを取り外して眺めた。見よ、地の面は乾いていた。(8-13)

・せっかく限定した動物たちのうち鳥の一部は、洪水の引いた後ノアによっていけにえにされる。

ノアは主のために祭壇を築いた。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす献げ物として祭壇の上にささげた。(8-20)

唯一神で、全知全能の神様も悔い改める(旧約聖書で一番好きなシーン)

主は宥めの香りをかいで、御心に言われた。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。(8-21)
わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。(9-15)
雲の中に虹が現れると、わたしはそれを見て、神と地上のすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた永遠の契約に心を留める。(9-16)

▲9章(神は二度とこういうことはしないと契約する。ノアがカナンを恨む)
・血にかんして

肉は命である血を含んだまま食べてはならない。(9-4)
また、あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。いかなる獣からも要求する。人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。(9-5)

・カナンがノアに嫌われるが、その理由がまったく理解できない。(9-18-27)
 百歩譲っても「のろわれ」るべきはハムなのでは?

箱舟から出たノアの息子は、セム、ハム、ヤフェトであった。ハムはカナンの父である。この三人がノアの息子で、全世界の人々は彼らから出て広がったのである。さて、ノアは農夫となり、ぶどう畑を作った。
あるとき、ノアはぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。カナンの父ハムは、自分の父の裸を見て、外にいた二人の兄弟に告げた。セムとヤフェトは着物を取って自分たちの肩に掛け、後ろ向きに歩いて行き、父の裸を覆った。二人は顔を背けたままで、父の裸を見なかった。ノアは酔いからさめると、末の息子がしたことを知り、こう言った。「カナンは呪われよ/奴隷の奴隷となり、兄たちに仕えよ。」また言った。「セムの神、主をたたえよ。カナンはセムの奴隷となれ。神がヤフェトの土地を広げ(ヤフェト)/セムの天幕に住まわせ/カナンはその奴隷となれ。」

▲10章(ノアの子、セム、ハム、ヤペテのそれぞれの子たちが、それぞれの言語、国をもつ)
・バベルの話の前に、様々な言語がある?

海沿いの国々は、彼らから出て、それぞれの地に、その言語、氏族、民族に従って住むようになった。(10-5)
これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたハムの子孫である。(10-20)
これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたセムの子孫である。(10-31)