メモ:横浜市教科書採択問題

横浜市教科書採択問題に関するメモと資料です。
そのうちで文章にしたいと思っています。

■問題とされている点

▲市教委と県教委


▲教科書の採択地区が一本化された
 2009年まで:18行政区各区ごとの採択
 現行   :1採択地区

 横浜市教育委員会「共通の教科書を使うことで小中一貫教育のカリキュラムが円滑になる」
 市民団体「地域の実情に応じた教科書の多様性が失われる」
 *国の行政改革委提言(1996、1997)

公立学校においても学校単位で自らの教育課程に合わせて教科書を採択する意義を重視すべきであり、将来的には学校単位の採択の実現に向けて、法的整備も含めて検討していくべきである。
(「行政改革委員会の教科書採択制度に関する最終意見」1997年12月12日)


▲現場の声を伝える仕組みが廃止されていった
 ・「学校票」の廃止(2001年)
 ・校長会の報告廃止(2005年)


▲市教科書取扱審議会の答申が採択に反映されない

 市教育委員会「答申はあくまで参考資料。採択は教育委員が総合的に判断した結果」
 今田元委員長「答申はあくまで参考意見で、最終的に決めるのは教育委員。議会で選ばれた我々に権限が与えられているのだから仕方ない」(2005年)


 *↓2009年教科書採択における答申と実際の採択

 (「子ども・教育・くらしを守る横浜教職員の会」HPより転載)
 教科書採択について「適正を期する」ため(「横浜市教科書取扱審議会条例」)におかれ、教育委員会によって任命されたメンバーが調査した結果である審議会の答申がどのようなものであろうと、すべて自由社の教科書を選んだ教育委員会委員A氏とB氏はきちんとその根拠を示さなければならないと思う。


 * 審議会(計20人)
 (1)校長及び教員(8人)
 (2)教育委員会事務局職員(5人)
 (3)学識経験のある者(3人)
 (4)児童及び生徒の保護者(4人)


▲採択が市民に開かれていない

1.無記名投票

横浜市教育委員会会議規則 第27条

 採決の方法は、挙手、記名投票、無記名投票の3種とし、委員会において適宜これを採用する。異議あるときは会議にはかり、討論を行わないで採決方法を定める。
採決の結果は、委員長がこれを宣告する。

 →今田忠彦教育委員長の決定で、教科書採択は無記名投票に。
 →2011年8月4日の採択では記名投票に


2.一般傍聴席の数が少ない
 採択のための横浜市教育委員会定例会は、市教育委員会議室でなされるが、一般傍聴席は20席。
 より広い場所での開催を求める要望がでている。
 市教育文化センターで音声は聞くことができるが、これにもあふれる可能性がある


3.教科書調査員メンバー(現在非公表)
 2009年度までは教科書採択後に公開(市役所で閲覧可能)していたが、非公表へ。

 市情報公開・個人情報保護審査会は3日、「開示すべき」と答申
  →横浜地裁公開命じる(2011年6月15日)
  →横浜市控訴断念


▲請願・陳情

・教育長に委任する事務等に関する規則

改正前
(教科書採択など15項目について)

請願書を受理したときは、委員長は会議に付し、審議を行い、議決しなければならない。また、陳情書などを受理したときは、同様に、委員長は会議に付さなくてはならない。


改正後

第2条
 教育委員会は、次に掲げる事項及び教育委員会事務の委任等に関する規則(昭和28年10月横浜市教育委員会規則第4号)第2条に定めるものを除き、その権限に属する教育事務を教育長に委任する。
 …
 (16) 本条第1号から第15号に係る請願及び陳情に関すること


第4条
 第2条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事項は、教育長に専決させる
 …
 (9) 第2条第16号に規定する請願及び陳情のうち、教育委員会が指定した請願及び陳情に関すること。(平23改正)


自由社育鵬社の教科書の内容
 賛否両論
 反対する団体が目立つのは仕方がないこと。

−採択しないよう教育委員会に要望/呼びかけ/アピールしている団体
 ・自由法曹団神奈川支部
 ・歴史学研究会、日本史研究会、歴史科学協議会歴史教育者協議会
 ・横浜教科書採択連絡会(不採択を求めて約11万1000人分の署名を市教委に提出)
   …他

(教科書内容云々よりも、教科書採択の制度上の欠陥の方が問題だと個人的には思います)

横浜市の教科書採択制度の現状

▲市教委と県教委の関係
 調整中


▲法律
・「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」

第十条
 都道府県の教育委員会、当該都道府県内の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択の適正な実施を図るため、義務教育諸学校において使用する教科用図書の研究に関し、計画し、及び実施するとともに、市町村の教育委員会及び義務教育諸学校の校長の行う採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行わなければならない。


第十一条
 都道府県の教育委員会は、前条の規定により指導、助言又は援助を行なおうとするときは、あらかじめ教科用図書選定審議会の意見をきかなければならない。


第十六条
1  指定都市については、当該指定都市を包括する都道府県の教育委員会は、第十二条第一項の規定にかかわらず、指定都市の区の区域又はその区域をあわせた地域に、採択地区を設定しなければならない。

2  指定都市の教育委員会は、第十条の規定によつて都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、前項の採択地区ごとに、当該採択地区内の指定都市の設置する小学校及び中学校において使用する教科用図書として、種目ごとに一種の教科用図書を採択する。

(引用者強調)


・「地方教育行政の組織及び運営に関する法律

第二十三条  教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。

六  教科書その他の教材の取扱いに関すること。

(引用者強調)


・「横浜市教科書取扱審議会条例」

第1条
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号の規定に基づき、横浜市教育委員会が行う教科書の取扱いについて適正を期するため、教育委員会の付属機関として、横浜市教科書取扱審議会を置く。


第2条
 1 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、市立学校において使用する教科書の取扱いに関し必要な事項を調査審議する。
 2 審議会は、前項の諮問に関連する事項について、教育委員会に意見を述べることができる


第3条
 1 審議会は、委員20人で組織する。
 2 委員は、次の各号に掲げる者につき、教育委員会が任命する。
 (1)校長及び教員        8人
 (2)教育委員会事務局職員    5人
 (3)学識経験のある者      3人
 (4)児童及び生徒の保護者    4人


第6条
 1 審議会に、専門事項を調査するため、調査員を置くことができる。
 2 調査員は、審議会の推薦に基づき、教育委員会が任命する。

(引用者強調)


横浜市教育委員会
 −組織
  ・市長が議会の承認を得て任命
  ・6人の委員(うち1名は教育長、1名が委員長)。委員の任期は4年で、再任あり。
  ・委員長は、教育委員会の委員のうちから選挙。任期は1年、再任あり。
  ・教育長は、教育委員会が任命。教育委員会の事務を担当。事務局の事務を統括。
 −目的
  1.政治的中立性・安定性の確保
  2.地域住民の多様な意見を反映
  3.生涯学習などの教育行政の一体的な推進等
 −メンバー

今田忠彦 教育委員長、元市総務局長
山田巧 横浜市教育長
小浜逸郎 評論家
野木秀子 IT企業役員
中里順子 元中学校校長
奥山千鶴子 子育て支援NPO理事長


▲教科書採択の流れ
1.県教委の「指導・助言・援助」
→2.市教委の基本方針
 (教育委員は市長が議会の承認を得て任命)
→3.教科書取扱審議会の調査研究
 (審議会メンバーは市教委が任命)
→4.教科書調査員による専門的な調査研究(+高校では各学校長の意見報告)
 (調査員は審議会の推薦をうけ、市教委が任命)
→5.調査員、審議会へ報告
→6.審議会、報告書に基づいて市教委に答申
→7.市教委、答申を踏まえて教科書を採択、県教委に報告
→8.市教委、学校に通知
 →次の4月から採択された教科書を使用(4年毎改訂)


平成23年横浜市教科書採択の基本方針
http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/shingikai/kyokasho/pdf/h23-houshin.pdf


・採択の基本原則

(1) 公正かつ適正な手続き
文部科学省や神奈川県教育委員会の通知に基づき、採択権者である教育委員会の権限と責任のもと、公正確保を一層徹底するとともに、適正な手続きによって採択を行う


(2) 教科書の調査研究
採択の観点に沿って適切な教科書を採択するため、教科書目録に登載されたすべての教科書の内容について教科毎に設定した具体的な観点に基づいて十分に調査研究を行う。


(3) 静ひつな採択環境の確保
教科書の採択が、公正かつ適正に行われるために、外部からの不当な働きかけ等によって採択が歪められたり、教科書への誹謗・中傷等が行われる中で採択がなされたりすることのないよう、静ひつな採択環境を確保する。


(4) 開かれた採択の実施
教育委員会の採択に関するルールである基本方針をあらかじめ公表するとともに、採択に関する情報を、採択終了後に積極的に公開するなど、開かれた採択に努める


(5) 採択地区
中学校用教科書については、1採択地区で採択を実施する

(引用者強調)


・採択の観点

(1) 幅広い知識と教養を身に付け、豊かな情操と道徳心を培い、健やかな体を育む教育の一層の充実に資するに適切なものであること。


(2) 自ら学ぶ意欲を培い、自らの可能性と人生を切り拓く態度を養うとともに、職業及び生活との関連を重視することができるよう配慮されているものであること。


(3) 公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を育むことができるように配慮されているものであること。


(4) 美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性、生命を大切にし、自他の人格を尊重する心、他人を思いやる心などが育つように配慮されているものであること。


(5) 我が国と郷土横浜の伝統や文化を愛し、守り伝えていくとともに、諸外国の人々の生活や文化を理解、尊重し、国際社会に寄与する開かれた心の育成に適したものであること。


(6) 児童生徒の興味・関心を高め、自主的・主体的な学習や体験的な学習、言語活動を重視した学習を展開することができるよう、配慮されているものであること。


(7) 義務教育における連続性のある学習活動を実現するために、各学年の適時性とともに、幼・保・小・中の系統性に配慮されているものであること。


(8) 教科書として、内容の組織配列、分量などが適切であり、文章、用語、挿絵、地図、図表、写真などの表現が、児童生徒にとって使いやすいように創意工夫がなされていること。


(9) 高等学校において使用する教科書は、各学校の特色に合わせ、生徒一人ひとりの可能性をのばし、希望する進路に進むために最も適切と思われるものであること。


(10) 南高等学校附属中学校(仮称)において使用する教科書は、中等教育後期課程(高等学校)との系統性に配慮して、適切な学習活動の実現を目指すものであること。また、南高等学校において使用する教科書は、学校の特色に合わせ、生徒一人ひとりの可能性をのばし、希望する進路に進むために最も適切と思われるものであること。


(11) 特別支援学校及び小・中学校個別支援学級において使用する教科書は、個別の教育支援計画に基づき、一人ひとりのニーズに応じた指導を行うために、適切な内容であること。


→「平成 23 年度 第1回横浜市教科書取扱審議会会議録」(平成 23 年5月 27 日)

ア 中学校及び南高等学校附属中学校(仮称)については、採択の観点(1)〜(8)の各項目に照らして調査を行うこと。このうち採択の観点(1)については、教科ごとに「横浜版学習指導要領」に示した育てたい子どもの姿に基づいた具体的な観点を設定すること。


イ 高等学校及び南高等学校については採択の観点(9)及び(10)を基に「教科・種目に共通な観点」「教科・種目別の観点」での調査を行うこと。


ウ 特別支援学校及び小・中学校個別支援学級においては採択の観点(11)を基に「内容及び特徴」「想定される教科名(種目)、ねらい及び指導内容・方法」の観点で調査を行うこと。

・その他

 教育委員会は…(中略)…横浜市教科書取扱審議会に対し、…(中略)…使用する教科書の取扱いに関し、本方針に基づいて、具体的な調査・審議を諮問する。

 審議会は、教育委員会の審議に資することができるよう、調査研究した教科書の内容と「横浜版学習指導要領」及び「横浜市立高校版学習指導要領」で示した育てたい子どもの姿との関連が明確になるよう答申する。

 教育委員会は、審議会答申を受けて、その権限と責任において慎重に審議し、公正かつ適正に、教科書の採択を行う。その後、採択結果と需要数を神奈川県教育委員会に報告する。

■2011年8月4日 教科書採択(追記)

●採択内容と教育委員
 平成24年度に使用する教科書の採択(横浜市教育委員会定例会 8月4日 午前10時から)


▲答申で適切とされたもの
○歴史

観点 教科書
1-1 東京書籍、教育出版、日本文教出版育鵬社
1-2 東京書籍、教育出版、清水書院帝国書院日本文教出版
1-3 教育出版、日本文教出版
1-4 教育出版
1-5 東京書籍、清水書院帝国書院日本文教出版育鵬社
1-6 東京書籍、教育出版、清水書院帝国書院日本文教出版自由社育鵬社
1-7 東京書籍、日本文教出版
1-8 東京書籍、教育出版、帝国書院
1-9 東京書籍、教育出版、清水書院帝国書院日本文教出版
2 自由社育鵬社
3 東京書籍、日本文教出版
4 東京書籍、帝国書院自由社育鵬社
5 自由社育鵬社
6 東京書籍、教育出版、帝国書院日本文教出版自由社育鵬社
7 東京書籍、教育出版、清水書院帝国書院日本文教出版自由社育鵬社
8 東京書籍、帝国書院自由社


・小茺委員

 「私は、4点に絞って、特にポイントをきちんとフォローしているかどうかということを調べました。…
 一つは改正教育基本法に伝統と文化の尊重ということが挙げられておりまして、それをどのように歴史の教科書に生かすかと考えた場合に、やはり宗教や神話、そういうものについてどのような扱いをしているかが大切だと思います。
 それから第2点は、…やはり明治近代国家の建設の大きな礎が大日本帝国憲法であって、これは今の時代で読むといろいろと欠陥が目立つかもしれませんが、その当時としては諸外国からも非常に賞賛を浴びた優れた憲法だったということです。ですから、そのような近代国家建設の苦労と成果ということがきちんと記述されているかどうか、これが私が考える第2のポイントです。
 第3のポイントは、戦後の話になりますが、東京裁判が行われました。東京裁判についてはいろいろな議論がございますが、なるべく史実に忠実な形で、公正な形で記述されているかどうか
定説が固まってないということを教科書に反映させないといけないと私は思いますので、例えば
日本が引き起こしてしまった戦争についての戦後の判断ということを重要視したいと思いました。
 それから、…十分な資料、面白い資料が、例えばコラムなどに載っているか。あるいは紹介人物の数が適切で、十分あるかどうか。以上が第4点目です。 」

・野木委員

 観点に重みをつけることが私としての一つの役割であると思いました。特に改正教育基本法、約 60 年ぶりの改定でございますけれども、こちらに関しては観点の2から5が相当するかと思いますが、これは重みを大きくとらえました。観点1は、本来は一つと考えていいのだけれども、各教科ごとに幾つかありますから、それはそれぞれ一つと、考えさせていただきました。それで計算をしまして、上位2つか3つに絞り込んだ後、内容を吟味して決めるという手順をとりました。これはもちろん歴史だけではございません。すべての教科に関してとった私の手段でございます。 …
 歴史については、観点の2から4、特に文化、それから伝統ということが随分出てきますが、私は日本を元気にしたいという気持ち、日本人として誇りを持ちたいということや、どのような人物が記されているかということをかなり心に置きました。…
 今、日本を支えているのはものつくり、ものつくりの技術です。…この中で例えばからくり人形の田中久重さんや、トヨタの生みの親に当たる豊田佐吉さん、それから親子三代にわたって新幹線の建設に携わった、島安次郎、秀雄、隆、親子…そのような人物を取り上げた教科書がありまして、私は技術者としてはとても嬉しく思いました。…
 次に女性に関してきちんと取り上げられているということも非常に重要な要件でございます。…どんどん歴史に女性を取り上げてほしいと思うわけでございます。そのような教科書を、私は採択していきたいなと考えました


・中里委員

 基本的には何を目指して教育を行い、どのような人間を育てるかというところが柱だと思っています。それが教育基本法の目的・目標に反映されて、それを受けて学習指導要領の教科の目標に記載されています。社会科の教科の目標には、「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」となっております。それから、「文化遺産を尊重する態度を育てる、国際協調の精神を養う、多面的・多角的に考察し、公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」となっております。この視点で答申を大切にしながらも、日本という国に誇りを持って、自分たちの将来に夢をはせられるような子どもに育てたい、という視点で答申を尊重しながらも、そのような視点を持ちました。 そうしたときに観点の項目の2が、やはり社会科の中での重点項目だと思います。


・奥山委員

 私も3つほど歴史の教科書を選定に当たって大事にした視点がございます。
 1つ目は、…学習指導要領に書かれているように、我が国の歴史の大きな流れを理解させるということが一番の目標だと思っています。 …中学校で本格的に歴史を学ぶその基礎として、わかりやすさ、学びやすさということと、歴史認識に関して極端でないということを大切にしたい、と思いました。…今回、18 区すべての子どもたちの教科書が一律になることで、多様な学力の子どもたちにも配慮が必要だと思っております。私は観点の上で言えば観点1の9項目、さらに観点2、5、6などの比重ということを重く考えて選ばせていただきました。
 2つ目はその子どもたちの学習実態を踏まえたという意味で、多様な学力の子どもたちが学びやすい教科書という点でした。
 3つ目ですけれども、やはり今日本の日本国憲法に書かれている国民主権基本的人権の尊重、平和主義、ということをきちんと書かれていることということが親としても大事になってくると思います。…世界を俯瞰しながらも地に足のついた行動ができる日本人に育ってほしい、そのような思いから歴史教科書を選びたいと考えました。

 追加させていただきますと、やはり大事な視点として、多面的・多角的に書かれている、ということがとても大事だと思います。


・山田教育長

 歴史観や史観ということよりも、まず私は子どもの学習実態がどうなのか、そのことに対してどこが一番ふさわしいのかということについて答申を参考にさせてもらいながら検討しました。基本的には基礎的・基本的な知識や、概念、あるいは技能の習得はもちろんですが、そのほかに、歴史事象を一面的にとらえるのではなくて、いろいろな観点から、今先生方がおっしゃられたように、多面的・多角的に考察して表現する、そのような学習が必要ではないかと思います。

 今の世の中を見た場合に、歴史だけではなくて、ものの考え方、人生観、ものの見方など、まず基礎となるところをきちっと身につけて行くことが一番大事で、そのために頭の中を整理しやすい、わかりやすいというものを、まず教科書として、私は求めるべきだと思います。

・今田委員長

 私の基本のスタンスは、当然審議会の答申を尊重するということですが、あわせて審議会の答申の中に公平公正か、論理的に納得できるのか、やはりこれはしっかり検証する必要があるなと思いました。それから教育行政、法律主義の原則は 16 条で新しく加わったわけですけれども、それを踏まえて新しいこの2条の目標、あるいは学習指導要領、そういうものを明記して、加えて教育委員のお仕事をいただいてきた中で得た知識・経験、そのようなものを総合的に加えて判断をしていきたいと思いました。 …

 特に歴史の分野で意識したのは学習指導要領の歴史的分野の目標の中で書かれてる幾つかの中の一つ、日本の歴史の大きな流れを世界の歴史を背景にとらえているか、それから我が国の歴史に対する愛情を深め、国民として自覚を育てるものなのか、それから歴史事象を多面的・多角的に考察し、公正に判断しているのかというようなことを私自身は意識しました。

 つい最近、著名な数学者が出版した本の中で、戦後から今日まで、日本の歴史教育が様々な要因でかなり歪んだものになってきた、その結果、日本の多くの若者が自国の歴史を否定してきた、その結果、祖国への誇りを持てないでおり、意欲や志の源泉を枯らしているというようなことを指摘しました。統計上もこれはそのデータがあるわけですけれども、私もそうだなと思いました。日本の歴史にはすばらしい誇り得る部分が沢山あるわけで、歴史を学ぶ意欲をかき立ててくれる教科書が必要だと思いました。

・公民

観点 教科書


▲投票

名前 肩書 投票(歴史) 投票(公民) コメント
今田忠彦 元市総務局長、教育委員長 育鵬社 育鵬社 歴史に対する温かみがいっぱいある
小浜逸郎 評論家 育鵬社 育鵬社 宗教と神話の扱いが伝統文化の尊重に適している
野木秀子 IT企業役員 育鵬社 育鵬社 教育基本法改正を反映している。女性の問題の取り扱いも適切
中里順子 元中学校校長 育鵬社 育鵬社 健全な国家観をもてる
奥山千鶴子 子育て支援NPO理事長 日本文教出版 教育出版 日本国憲法の基本がきちんとかかれている
山田巧 横浜市教育長 東京書籍 東京書籍 わかりやすく、整理しやすい。基本的な知識・概念の習得につながる

育鵬社を選んだ4人は中田前市長が任命
*審議は歴史・公民それぞれ約30分
*議事録(http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/soshiki/kaigiroku/23/0804.pdf
 −歴史(14p〜)
 −公民(20p〜)


●傍聴
 20人が傍聴、抽選で外れた500人が別会場で音声のみ、100人以上がこの会場にも入れなかった。


●採択地区
 横浜市全域、すなわち市立中学校149校10万人以上の生徒の4年間使う教科書を一括で採用決定


資料

平成23年横浜市教科書採択の基本方針
http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/shingikai/kyokasho/pdf/h23-houshin.pdf


ユネスコ特別政府間会議採択「教員の地位に関する勧告」(1966年9月21日〜10月5日)

職業上の自由
61
教育職は専門職としての職務の遂行にあたって学問上の自由を享受すべきである。教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認められたものであるから、承認された計画の枠内で、教育当局の援助を受けて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。


▲資料
・「子ども教科書全国ネット21 教科書問題資料室」
http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/top_f.htm
 −育鵬社自由社教科書の採択阻止のために活動をしているところですが、資料が整理されています。

・教科書調査員報告書
・教科用図書意見報告書
横浜市の児童・生徒の学習実態調査報告書