「価値、宗教地域、そして近代化論」の抄録の訳

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このエントリーは私が英語の邦訳を練習するためのものです。邦訳は正しいとは限りません。原文のURLを付していますので、そちらをご覧ください。

誤りの指摘や、アドバイスは大歓迎です。

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今回は
「european sociological review」2011年4月の27巻2号より、Tormod FjellvangさんのSocialization Values, Cultural-Religious Zones and Modernization Theoryの抄録の部分を訳します(http://esr.oxfordjournals.org/content/27/2/196.short?rss=1)。

この人がだれで、どんな意見を持っている人なのかは全く知りませんが笑

―――第一訳―――
抄録

「社会化価値、文化的宗教地域、そして近代化論」トーモッド・フィールヴァン

 社会化価値は社会の価値構造の再生に重要な役割を果たしている。社会学において、これまで社会化価値の比較分析はあまり注目されてこなかった。本稿では、比較社会学およびマクロ社会学の視点から4つの社会化価値を考察する。すなわち、自立、想像力、従順、信仰である。これらを世界価値観調査のデータを用いて考察する。その際、プロテスタント地域とローマ・カトリック地域という、西ヨーロッパにおける二つの文化的宗教地域を考察の対象とする。両地域とも7カ国である。
 本稿の目的は二つある。一つは、イングルハートとその共同研究者によって使用されている文化的宗教地域に関する概念よりもより合成的な(?)概念を提出することである。次に、文化的宗教地域と経済要素の衝突を各社会化価値ごとに分析することである。
 結論として、“物質主義的”な経済要素は、社会化価値の四つ全てと強い関連性があることがわかった。“理想主義的(観念主義的?)”な文化的宗教要素は自立や想像力とは強い関連性があったが、信仰や従順といった価値とは関連性が無かった。


―――第二訳―――
抄録

「価値、宗教地域、そして近代化論」トーモッド・フェルヴァン

 個人が内面化する「価値」は社会の価値構造の生成に強く関わっている。社会学ではこれまで、こうした価値の比較分析はあまりなされてこなった。本稿では、比較社会学とマクロ社会学の視点から四つの価値を考察する。この四つの価値、すなわち自立、想像力、従順、信仰を世界価値観調査のデータをもちいて考察する。その際西ヨーロッパにおける文化的に異なる二つの宗教地域をプロテスタント地域とカトリック地域にわけ、それぞれ7カ国を対象とする。
 本稿の目的は、第一に、イングルハートおよびその共著者達に使用されている宗教地域に関する概念に比べ、より多くの要素を勘案した概念を提出することである。第二に、そのような宗教地域と経済が四つの価値に与える影響をそれぞれ考察することである。結論として、“物質主義的”な経済は、四つの価値すべてと強い関連性があることがわかった。一方“観念主義的”な宗教に関しては、「自立」および「想像力」とは強い関連性がみられたが、「信仰」や「従順」といった価値とは関連性は見られなかった。

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・socialization valuesは要するに、社会化する中で内面化される価値のことだと思われるので、最初に説明をいれてあとは「価値」と訳してみた。
・composite conceptな概念を提出するとのことだが、イングルハート達の概念は、考察している要素が少なすぎた、ということを念頭に置いているのかな?と思ったので、「より多くの要素を勘案した」という長い訳になってしまった。
・あと名前が読めない。


 抄録だけではわからないが、筆者は社会秩序における「共通の価値」の役割を重視したパーソンズの影響下にあるように思われる。おそらく筆者は各社会の中から「共通価値」と思われるものを、世界価値調査の結果、四つ選び取り、それらが宗教的要因と経済的要因とどの程度関連しているのかを示そうとしている。結果、経済的要因(これはその国の経済構造なのか経済状態なのか抄訳でははっきりしないが)は、選ばれた「共通価値」全てに強い関連性があり、宗教は「自立」「想像力」と関連性があったという。


 内容が気になるな。自由主義色の強い経済構造を持つイギリスでは「自立」の価値が高い、みたいな感じででてるのだろうか。あと、選ばれた四つの価値がこの四つ、というのも面白い。「従順」と「信仰」かぁ。西ヨーロッパは無宗教と答える人が増えているけど、価値として「信仰」は大事にしてるということかな。従順って騎士道的なこと?