メモ:戦後マンガ史4(1981〜2000年)

■1981〜2000年

▲少年誌
 80年代に入ると、少年漫画はそれまで本流だった「闘い」と「スポーツ」一辺倒から恋愛を描くようになっていく。78年柳沢みきお『翔んだカップル』から、明るくさわやか、笑いもあるヒロインの魅力を大きな力にした学園ラブストーリーがスタートし、80年あだち充『みゆき』81年『タッチ』、高橋留美子うる星やつら』などの漫画は少年漫画の新しい潮流を作り上げていく。ジャンプの三本柱「友情・努力・勝利」に「恋愛」が加わり、とってかわろうとさえしていた。

 こうしたやさしさの対となって登場してきたのが、暴走族バイクもの、学ランツッパリものである(83吉田聡湘南爆走族』、しげの秀一バリバリ伝説』など)。これらは現実の学生風俗と呼応し、ヤング誌でも83年きうちかずひろBE-BOP-HIGHSCHOOL』などのヒット作を生む。「ヤングマガジン」「ヤングキング」がヤンキー暴走族ものを核にしており、ヒット作を多く生んだ(田中宏『BAD-BOY』など)。

 80年代はこうしたラブコメなどの男女の恋愛とツッパリものなどの男同心の友愛が共存していた時代である。

 また、鳥山明Dr.スランプ』のテレビアニメ化による大ヒットはオリジナルアニメから漫画とテレビのメディアミックス時代への移行のきっかけとなり、同時に単行本時代の幕開けをつげた。「ジャンプ」は80年代前半のヒット作と、80年代後半のそれらのテレビアニメ化とあいまって急激に部数を伸ばした(『キン肉マン』『キャプテン翼』『北斗の拳』『DRAGON BALL』『聖闘士星矢』など)。アニメ、ゲームとのメディアミックスを全面に出し、女性読者もとりこみながら90年代に入ると『幽☆遊☆白書』や『SLAM DUNK』など大ヒットを生み、95年には653万部に達する。「サンデー」においても、あだち、高橋をはじめ細野不二彦GU-GUガンモ』やゆうきまさみ機動警察パトレイバー』などアニメ化されたヒット作をだした。「マガジン」はツッパリものを中心に、料理漫画の『ミスター味っ子』などさまざまな試みを行っていた。


▲青年誌
 60年代創刊の青年誌は80年代入ると定番の長期連載をもち(『ゴルゴ13』『三丁目の夕日』『あぶさん』)、読者とともに年を重ねるようになる。
そうしたなか、新たな若い世代を対象にして新青年誌がつぎつぎ創刊されていった(「ヤングジャンプ」「ヤングマガジン」「ビッグコミックスピリッツ」「COMICモーニング」など)。したがって、当初は恋愛を含めた青春ものがメインであった(『めぞん一刻』『わたしの沖田くん』)。次第に女性作家も多く登用され、SF,ホラーなどのマニア向けジャンルも取り入れられた。大友克洋をはじめ、諸星大二郎星野之宣などもこの時期連載を開始し、新たなジャンルの開拓をしていった。
 弓月光みんなあげちゃう』が連載される82年ごろから、こうした性を積極的に扱ったH系ラブコメは青年誌の定番となった(『冒険してもいい頃』『はっぱ64』)。また一方でこの時期は食漫画ブームでもあり、『美味しんぼ』を皮切りに次々と青年誌に料理・グルメ漫画が掲載された。他にいしいひさいちの登場以後いがらしみきお植田まさしなど4コマギャグが再生し、吉田戦車の不条理ギャグなど新しい動きがでてきて青年誌は86年あたりから急激に部数を伸ばしていき、さらなる創刊ラッシュへ向かう。

 こうして、青年誌は対象世代を細分化しクラス化を進行させていった(「ビジネスジャンプ」や「ビッグコミックスぺリオール」「ミスターマガジン」など)。87年の石森章太郎『マンガ日本経済入門』による情報コミックの路線開拓や弘兼憲史『課長 島耕作』がビジネスマン向け漫画の増大の要因となった。昭和の終焉、手塚の死以後もバブルの中で漫画の拡大成長は続き、青年誌はベテラン作家や新たな才能による話題作を次々生み出していった(『東京ラブストーリー』『わたしは真悟』『カムイ伝第二部』『バタアシ金魚』『寄生獣』『変』)


▲レディスコミック
 80年代に入ると、少女漫画も読者年齢層をあげ、レディスコミック誌が次々創刊される(「BE LOVE」「YOU」「ビッグコミック・フォアレディ」など)。
ここに少女漫画の枠に収まりきられない表現を求めていたベテランたちを中心に、SEXを含めた大人の恋愛だけでなく、女性の自立、出産、子育て、DVなどレディスでなければ描けない作品がうまれていった。84年少年画報社の「MAY」が創刊、成功をおさめると、これまで漫画誌を扱ってこなかった中小出版社も次々レディスコミック誌を創刊していった。これらの雑誌ではSEXの過激さが売りに出されることが多く、これと差別化をはかるため大手では逆に性描写を封印していった。


▲少女漫画
 80年代前半は『サイファー』や『純情クレイジーフルーツ』などのようなSF、ファンタジーの傑作もうまれるが、85年ころには70年代後半からの長期連載作品が次々終わり流れが変わり始める。読者による雑誌のすみ分けが進行していったのだ。「別冊マーガレット」がふつうの少女たちに読まれる一方、「花とゆめ」「LaLa」「プチフラワー」などより漫画に熟達した読者の人気を集める雑誌が定着した。80年末には同人誌出身の作者によるボーイズラブ作品が人気を得るが、それぞれの読者層はあまり重なっていなかった。このように雑誌ごとに王道の恋愛ストーリー、SF,ファンタジー、少年愛などのテーマは異なっていた。読者の少女達は少女漫画を中心にそこだけにとどまらない分野に視野を広げ、「ジャンプ」やライトノベルにも流れ込んでいった。


▲漫画のクラス化
 80年代中ごろ「ハロウィン」「ホラーハウス」が創刊され、ホラービデオ、伝奇ホラー小説ブームとも連動したホラーブームが起き、一般紙にオカルトアクション漫画を増加させた。89年宮崎勤事件、91年有害コミック問題などで美少女コミック、青年誌H系コメディーとともにいったん終息。
だが95年「学校の怪談」ブームとともに再燃。その後も「残酷なグリム童話」などに形を変えて存続した。

 80年代のSF漫画誌、90年代のミステリ漫画誌などを含め、ジャンル誌、マニア誌は「COM」「ガロ」をルーツに「マンガ少年」「コミックトム」などから再スタートした。

 80年代末ジャンル誌は麻雀劇画誌が本格的はじまりで、4コマ誌、ゴルフコミック誌、野球漫画誌、グルメ漫画誌、プロレス漫画誌、釣り漫画誌などがつぎつぎと出ては消えていった。90年代半ばに出てきたパチンコ・パチスロ漫画誌や「本当にあった」系4コア誌などが人気を集めたが、これらは情報誌としての性格も見受けられた。

 75年スタートのコミックマーケットからはじまる同人誌の世界は、80年ごろニューウェーブの一翼を担い、80年代にはいるとロリコン漫画をはじめとした美少女漫画という新たなエロ漫画ジャンルを形成し、90年代には従来の官能劇画誌(三流エロ劇画)にとってかわっていった。「やおい」とよばれる少年愛ものは、90年代には「b-BOY」を中心に「ボーイズラブ」というジャンルを生み出しジュネ・BL小説とともに独自の少女文化のかたちを定着させていった。

▲90年代〜
 90年代に入ると、青年誌で社会的ブームとなる作品や、アニメ、ゲーム、映画などと連動するメディアミックス戦略も増加していった。そしてAKIRAや攻殻機動隊など海外で評価される作品が増加した。国内では「ジャンプ」が最大部数達成するが、90年代後半になると徐々に落ちこみ変わって部数を伸ばした「マガジン」が『金田一少年の事件簿』のテレビドラマ化によって大ヒットに結び付けた。これはミステリ漫画ブームに火をつけ、サンデーから『名探偵コナン』が大ヒットする。

 21世紀に入り、『テニスの王子様』『ONE PIECE』などアニメ化によって大ヒット連載を復活させた「ジャンプ」が巻き返すが、いわゆるメガヒットはメディアミックスの中から生まれる傾向がますます目立った。また、漫画の受容のされ方が作品の単行本主体の購買という流れに大きく変わっていった。

 現在、矢沢あいの『NANA』が一般的話題として語られブームになったり、コンビニ本・再販本をはじめとする廉価出版、過去の名作リバイバル出版、タイアップ企画やデジタル展開、さらには海外輸出の加速など様々な動きが活発化している。

■主なマンガ
○1981-1990
△少年・児童漫画
1980 あだみ充 『みゆき』 ラブコメブームを巻き起こす
1980 高橋留美子めぞん一刻』 ラビコメ傑作
1981 尾瀬あきら 『初恋スキャンダル』 少女漫画の繊細な感覚の少年漫画への導入
1981 三浦みつる 『the かぼちゃワイン』 ラブコメ全盛の代表
1981 村上もどか 『六三四の剣』 剣道漫画 正統派の描き方
1981 高橋陽一キャプテン翼』 「ボールは友達
1981 あだち充 『タッチ』 80年代青春漫画の代表作
1981 江口寿史 『ストップ!!ひばりくん!』ラブコメ
1982 内山亜紀 『あんどろトリオ』 ロリコンコミックの過渡期的作品
1982 吉田聡湘南爆走族』 ツッパリ漫画のはしり
1982 細野不二彦『GU−GUガンモ』 サンデーの人気連載
1982 大島やすいちバツ&テリ―』 80年代ツッパリモノの人気作品
1983 しげの秀一バリバリ伝説』 ツッパリバイクもの。大胆なコマ割りやスピード表現。
1983 北条司CITY HUNTER』 ハードボイルドヒーローアクション
1983 武論尊
    原哲夫北斗の拳』 格闘漫画に影響を与えた漫画 バイオレンス表現
1984 まつもと泉きまぐれオレンジロード』江口の美少女ものをひきつぎながらSFを取り入れたラブコメ
1984 鳥山明DRAGON BALL』 ジャンプを6000万部の雑誌に引き上げた作品
1985 上條敦士 『TO−Y』 ニューウェーブの表現革新を洗練して少年週刊誌で展開
1985 のむらしんぼつるピカハゲ丸』 児童向け漫画に4コマスタイルを定着させた
1985 宮下あきら魁!男塾』 男らしさの美学を描く硬派セイガクものの代表
1986 車田正美 『聖闘士聖也』 熱血格闘ロマン
1986 小林よしのりおぼっちゃまくん』 パワフルギャグ漫画
1986 寺沢大介ミスター味っ子グルメ漫画
1987 荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険』空想冒険活劇 精神の力を画そのもので表現 超能力によって「戦闘能力のインフレ化」からの脱出を試みた
1987 原秀則冬物語』 浪人生の青春を描く
1987 高橋留美子『らんま1/2』 大乱闘コメディー
1988 ゆうきまさみ機動警察パトレイバー』アニメ化前提の作品 メディアミックスの先駆的作品
1988 青山剛昌 『YAIBA』 アドベンチャー活劇
1989 森川ジョージ『はじめの一歩』 ボクシング理論のもとで行われる練習 高い画力、丁寧な脇役の設定
1990 藤田和日郎うしおととら』 壮大な伝奇アクション
1990 井上雄彦SLAM DUNK』 ヒットしないと言われたバスケ漫画をパワーとスピード感で描きあげ90年代の代表的スポーツ漫画に
1990 富樫義博幽☆遊☆白書』 登場人物と妖怪の闘いをスタイリッシュに描き、アニメ化、ゲーム化、CD・グッズなどヒットした。
1992 あだち充 『H2』 思春期の感情と距離感を繊細な描線と絶妙なテンポで描く
1992 衛藤ヒロユキ『魔方陣グルグル』 RPGのパロディを全面に、テンポの速いギャグ
1992 天樹・金成
    さとうふみや金田一少年の事件簿』 読者が犯人捜しを楽しめるような工夫もある本格ミステリ
1994 青山剛昌名探偵コナン』 少年漫画の第一級エンターテインメント作品
1994 和月伸宏るろうに剣心』 時代劇アクション 
1994 森末慎二
    菊田洋之 『ガンバ!Fly high』 技の細部までも描きだした熱血体操漫画
1994 満田拓也 『MAJOR』 スポーツ漫画の王道
1994 つの丸みどりのマキバオー
1995 貞本義行新世紀エヴァンゲリオン』人気テレビアニメの漫画版
1995 いがらしみきお 『忍ペンまん丸』 かわいいタッチにシュールなギャグ 癒されるギャグ作品
1995 曽田正人め組の大吾』 理想に燃える新人消防官の成長を描く熱血漫画
1996 高橋和希 『遊☆戯☆王』
1996 高橋留美子犬夜叉』 キャラクター造形とストーリーのパワフルさが魅力的な冒険絵巻
1997 藤沢とおる 『GTO』 テレビドラマ化、劇場アニメ化
1997 大塚英志
    田島昭宇多重人格探偵サイコ』 それまでの漫画の常識を破る設定やシャープな画風が人気に
1997 皆川亮二
    七月鏡一 『ARMS』 本格SFアクション
1997 さいふうめい
    星野泰視 『哲也 雀聖と呼ばれた男』阿佐田哲也の生涯をもとにしたピカレスク・ロマン
1997 島袋光年 『世紀末リーダー伝たけし』おっさん顔の小学一年生が騒動・事件を解決
1997 尾田栄一郎ONE PIECE』 独自の世界観とキャラの魅力で大ヒットし、テレビアニメ化
1998 ながとしやすなり『うちゅう人田中太郎』 児童読者に向けた無邪気なギャグが爆発する学園コメディー漫画
1998 赤松健ラブひな』 甘酸っぱい青春ラブコメディー
1999 ほったゆみ
    小畑健ヒカルの碁囲碁のルールから囲碁界の現実にも迫り、囲碁ブームをおこした
1999 吉崎観音ケロロ軍曹』 ユニークなカエル型宇宙人が活躍するギャグ漫画 アニメ化、映画化
1999 西森博之天使な小生意気』 ファンタスティックな学園アクションラブコメ
1999 岸本斉史NARUTO』 主人公の成長ぶりと人情味あふれるストーリー
2000 野中英次魁!!クロマティ高校』 シュールな展開のギャグ漫画
(01〜は『クニミツの政』『金色のガッシュ!!』『鋼の錬金術師』『BLEACH』『capeta』)

△青年誌・新青年
ヤングジャンプ」「ヤングマガジン」「ビッグコミックスピリッツ」「COMICモーニング」
1981 蛭子能収 『地獄のサラリーマン』 へたうまの絵にでシュールな作風 ナンセンスギャグ
1982 楳図かずおわたしは真悟』 人間の善意と悪意、成熟と喪失、神とは。
1982 弓月光みんなあげちゃう』 一族揃ってスケベな世界的な金持ち一家と主人公との騒動を性行為描写を交えて描く
1982 大友克洋 『AKIRA』 緻密なタッチと構成で漫画界に革命
1983 弘兼憲史 『課長 島耕作』 本格社会派漫画 80・90年代のビジネスシーン
1983 きうちかずひろ 『BE-BOP HIGHSCHOOL』 ツッパリ漫画代表作
1983 諸星大二郎西遊妖猿伝西遊記をモチーフに自由な発想で描いた伝奇ロマン
1983 雁屋哲
    花咲アキラ美味しんぼ』 食漫画のさきがけ
1985 相原コージ 『コージ苑』 あ〜んの言葉をもとにした4コマ漫画
1985 つげ義春無能の人』 やるせなさ、静かな諦念が味わい深く描かれる
1986 いがらしみきおぼのぼの』 ほのぼのとした日常を描いた哲学的な連作4コマ漫画
1985 望月峯太郎バタアシ金魚』 スポーツを描きながらスポ根ではない青春もの
1986 浦沢直樹YAWARA!』 従来のスポ根とは違う、清涼感、スピード感、コメディーセンス。
1986 内田春菊南くんの恋人』 掌にのるサイズの彼女の世話をする
1986 星野之宣ヤマタイカ』 伝記SF
1987 みやすのんき冒険してもいい頃』 エロ系青春コメディー
1987 谷口ジロー 『「坊ちゃん」の時代』 緻密な時代考証と繊細な描線で明治後半期の明暗を描く
1987 奥浩哉 『変hen』 ゲイじゃないのに「男と男」という奇妙なラブコメ
1987 毛利甚八 『家裁の人』 裁きとは何かを問う社会はヒューマンドラマ
1988 山下和美天才柳沢教授の生活』 日常の様々な人生ドラマ
1988 森田まさのりろくでなしBLUES』 硬派学ランもの代表作
1988 ハロルド作石『ゴリラーマン』 ギャグ青春漫画
1989 柴門ふみ東京ラブストーリー』 当時の時代の空気をとらえた恋愛物語
1989 山本直樹 『あさってDance』 美少女系エロ漫画で活躍した作者の青年誌での人気作品
1989 吉田戦車伝染るんです。』 80〜90年代初めの不条理ギャグの代表作
1989 士郎正宗攻殻機動隊』 苦楽豊かなロボットと機械的な人間の対比など独特の視点
1989 岩明均寄生獣』 寄生生物と人類の中間人としての主人公を描く 壮大SFドラマ
1989 相原コージ
    竹熊健太郎サルでも描けるまんが教室』漫画創作方法をパロディ的かつまじめに解説・実践
1989 秋月りす 『OL進化論』 会社・家庭における日常の場面のネタを描く
1990 楳図かずお 『14歳』 欲望が肥大しすぎた人類の破滅へといたるプロセスを描く
1990 新井英樹 『宮本から君へ』 情熱を全開にさせる若き主人公の赤裸々な青春
1990 坂田信弘
    かざま鋭二風の大地』 ゴルフというメンタルスポーツを成長物語として描き出した
1990 臼井儀人クレヨンしんちゃん』 家族愛、友情など暮らしの悲哀が生活感豊かに描かられる 下品さが問題に
1990 青木雄二ナニワ金融道』 あらゆる世界の人間の銭欲を細密な絵柄と独特のせりふまわしで描き上げた
1990 安彦良和 『虹色トロツキー』 昭和13年満州国を舞台に、近代日本の光と影を追う歴史アドベンチャー

1991 柴門ふみあすなろ白書』 青春ラブストーリーの代表作
1991 谷口ジロー 『犬を飼う』 若い夫婦と一匹の老犬の最期をめぐる静かな物語
1992 酒見賢一
    森秀樹 『黒攻』 小説を元に戦乱の世を精密で力強いタッチで描写
1993 江川達也東京大学物語』 過激な描写、コミカルなギャグで受験生・大学生の青春を描いた
1993 山本おさむ 『どんぐりの家』 重複傷害の子どもを「ひとりの人間として」描いた作品
1993 夢枕獏
    岡野玲子陰陽師陰陽師ブームのきっかけとなった作品 原作を華麗な画で漫画化
1994 本宮ひろ志サラリーマン金太郎』 主人公が困難な仕事をこなし出世していく熱血サラリーマン漫画
1994 小山ゆう 『あずみ』 さまざまな悲運の中で健気に刺客としての生き方を全うするあずみ
1994 望月峯太郎ドラゴンヘッド』 天変地異による極限状況のなかでの人間の闇と希望を描きあげた
1994 李學仁
    王欣太蒼天航路』 悪名高い人物として描かれていた曹操を英雄として主人公において三国志
1994 浦沢直樹 『MONSTER』 緻密なストーリー、卓越した画力、ミステリアスな展開で人気に
1995 星野之宜 『宗像教授伝奇考』 古代史のなぞを大胆な仮説と推理で説き明かす伝奇漫画
1996 福本伸行賭博黙示録カイジ』 心理戦の緊張感 斬新なギャンブル漫画
1996 松本大洋 『ピンポン』 シンプルな線と大胆な構図で卓球というスポーツを描く
1997 さそうあきら『神童』 漫画での音楽を音符ではなくエピソードとして描いた
1997 石坂啓 『I'm home』 「ほんとうの家族」の意味を根源的に描き出した。
1998 谷口ジロー遥かな町へ』 34年前にタイムスリップした主人公が自分の人生と向き合う。
1998 井上雄彦
    吉川英治バガボンド』 原作を見事に換骨奪胎したオリジナリティある時代漫画
1999 高野文子 『黄色い本』 主人公の読む本のページがコマに広がる大胆な描写
1999 浦沢直樹20世紀少年』 絶妙のドラマツルギーと展開で読者を魅了する近未来サスペンス
1999 井上雄彦 『リアル』 車いすバスケを舞台に徹底したリアリティで描く
2000 黒田硫黄セクシーボイスアンドロボ』コミュニケーション不全の大人をつなぐ主人公の成長物語
2000 山田貴敏Dr.コトー診療所』 本格的医療ドラマ
2000 松本大洋GOGOモンスター』 少年時代のはりつめた神経をイメージの力で描く
(01年〜『エマ』医龍』『魔女』『ドラゴン桜』『PLUTO』『夕凪の街』)

△少女・レディスコミック
「BE LOVE」「YOU」「ビッグコミック・フォアレディ」
SFものとBLもの
1983 吉田秋生 『河よりも長くゆるやかに』等身大の少年たちの世界を描く
1984 篠原千絵闇のパープルアイ』 サスペンス・ロマン
1984 木原敏江 『夢の碑』 「オニ」がテーマの幻想ロマン集 古典文学取り入れ
1984 岡野玲子 『ファンシィダンス』 主人公の悲喜劇をポップに描いた青春コメディー
1985 吉田秋生BANANA FISH』 緻密で壮大な物語 リアルなアンダーグラウンド描写
1985 高口里純 『花のあすか組!』 硬派のヒロイン
1985 吉野朔美 『少年は荒野をめざす』 文学性ゆたかな青春漫画
1986 紡木たくホットロード』 瑞々しい感覚と表現で思春期の思いを描く
1986 水樹和佳 『イティハーサ』 神とは何か、生きるとは何かのSF巨編
1986 玖保キリコ 『いまどきのこども』 80年代サブカルブームを象徴する作品に
1986 さくらももこちびまる子ちゃん』 テレビアニメ化により国民的人気に
1987 榛野なな恵Papa told me』 平凡な日常生活の中の幸せ
1987 高河ゆんアーシアン』 困難な状況の中での恋愛 同性愛 近親相姦 ロボと人間
1988 深見じゅん 『悪(わる)女』 女が主人公のサラリーマン漫画
1988 逢坂みえこ永遠の野原』 少年時代の甘づっぱさと大人になることのせつなさ
1989 岡崎京子 『pink』 気分としてのポストモダンを体現した作品
1989 三浦健太郎ベルセルク』 中世ヨーロッパを基盤として剣と魔法のファンタジー

1991 きら 『まっすぐにいこう。』 喜び哀しみ悩む心理をハートフルに描き出した。
1991 津雲むつみ 『闇の果てから』 連続幼女誘拐殺人事件をモチーフにした異常心理サスペンス
1992 武内直子美少女戦士セーラームーン』美少女戦士ものというジャンルのはしりとなった
1992 神尾葉子花より男子』 テレビドラマ化、実写映画化された
1992 吉村明美 『薔薇のために』 家族が心の絆を結ぶさまが類型的な家族像とは離れて描かれる
1992 萩尾望都残酷な神が支配する』 家庭内性的虐待をテーマに高い表現力で描いた長編作
1993 くらもちふさこ天然コケッコー』 穏やかな村でゆっくりとはぐくまれる二人の恋
1994 小花美穂こどものおもちゃ』 ハイテンションなギャグとシリアスなストーリーが交錯するコメディ
1995 岡崎京子 『へルタースケルター』 岡崎の集大成といわれる 高度情報資本主義の極限を描いた
1995 安野モヨコハッピーマニア』 リアルな人物描写、頻繁なセックス場面、体から考えるヒロインなど
1996 吉田秋生YASHA 夜叉』 相対する双子の葛藤、人間の愛憎、善悪の彼岸を壮大なスケールで描く
1997 いくえみ綾 『バラ色の明日』 多感な時期の少年少女を多彩なストーリー運び、心理描写で描く
1997 上田美和ピーチガール』 遊んでると思われがちな外見の主人公の学園ライフ
1998 高屋奈月フルーツバスケット』 呪いを受けている主人公たち若者の葛藤を描くハートフルコメディ
1998 ジョージ朝倉恋文日和』 ラブレターを題材に恋に揺れる少年少女たちの思いを描いた読み切り
1999 よしながふみ西洋骨董洋菓子店』 洋菓子の質感を感じさせる表現力と複雑なプロット構成
1999 矢沢あいNANA−ナナ−』 同じ名前を持つ二人の少女の夢と友情と恋模様
2000 森本梢子 『ごくせん』 アクションコメディー
2000 羽海野チカハチミツとクローバー』コミカルなギャグとセンチメンタルなモノローグが交差する青春ドラマ
2000 小川彌生 『君はペット』 完全無非なOLスミレの弱音や喜び、嘆きが共感を誘った
2000 伊藤理佐おいピータン!!』 既婚、家族と同居などのふとした場面で生まれる齟齬・共感をつづる
(01年〜『のだめカンタービレ』『ラブ★コン』『僕等がいた』『砂時計』)


△その他・ホラー・ジャンルもの
1982 宮崎駿風の谷のナウシカアニメージュで掲載
1983 手塚治虫アドルフに告ぐ』 手塚の後期作品
1985 士郎正宗アップルシード』 ロボットアニメ的メカアクションSF
1985 能條 純一 『哭きの竜』 男の美学 麻雀誌
1986 石森章太郎『マンガ日本経済入門』 200万部のベストセラー 情報漫画ブームへ
1988 水木しげる 『コミック昭和史』 自伝的史実漫画
1988 とり・みき遠くへいきたい』 台詞のない9コマ漫画 緻密なカット割りとコマ構成

1992 小林よりのり『ゴーマニズム宣言』 政治問題など世相を捉えて問題的をする思想漫画
1993 福山庸治 『F氏的日常』 名人の域に達している1コマ漫画
1997 しりあがり寿弥次喜多in DEEP』 「漫画表現のひとつの革命」と評された妄想と現実の悲喜劇
(01年〜『現代思想の遭難者たち』『私の八月十五日』『失踪日記』)